midorigasoyoguブログ

毎日を自分らしく生きるために、綴ります。

おりしも複製作品展示美術館2つ

意図した訳でもないのに、二日続けて複製作品の美術鑑賞をすることになった。


✿一日目は『東京芸術大学スーパークローン文化財展』鑑賞に友人と「あかがねミュージアム」へ出掛けた。

                             法隆寺釈迦三尊像復元 


東京芸術大学では、文化財を広く長く継承するために、劣化防止のために、そして失われてしまった文化財の本来の姿を甦らせるために、文化財をクローンとして復元する取り組みがなされている。


この展覧会では、門外不出の釈迦三尊像が、最新のデジタル技術と、高岡銅器の伝統技術職人さんとの共同作業で精巧に複製、展示されていて、すぐ身近に観る事が出来た。


法隆寺釈迦三尊像のほか、火災で焼失した法隆寺金堂壁画も再現されていた。
アフガニスタン・バーミヤン東西大仏はタリバンにより破壊されてしまい、残念ながらとても大きな大仏の再現は困難だけれど、天井壁画「天翔ける太陽神」が再現されていた。
劣化防止のため公開されていない敦煌莫高窟石窟第57窟の壁画と如来坐像、菩薩立像も再現されていた。他にも、ウイグル自治区ギジル石窟や、ミャンマー・バガン遺跡の一部などなど・・・・・どれも素晴らしくて、圧倒されてしまう。


✿二日目は「大塚国際美術館」へ夫と出掛けた。大塚オーミ陶業の特殊技術で、陶器板に、原寸大で色彩も忠実に西洋名画が複製されている。
一般の展覧会では100から多くても200までの展示だけれど、ここでは1000点余りが展示されていて、とても多いため、1日かけても美術館内を回り切れず、また疲れて集中力が持続しない。今回は、朝早く出発して、ゆっくり時間をかけて、そして休みながら巡ることにした。


古代ポンペイ壁画から・・・中世・・・ルネサンス・・・バロック・・・そして近・現代までの西洋名画を時代を追って巡っていく。遺跡や教会等が空間ごと再現されていて迫力や臨場感がある。

                         最後の審判が再現されているシスティーナ・ホール


戦争で散逸したエル・グレコの祭壇画が集められ衝立に復元されている。各美術館に散逸収蔵されているため、元の形の祭壇画で観る事は、今回の様な複製でなければできない。


ゆっくり休む時間を取る事が大切!!
カフェ・ド・ジヴェルニーで昼食を摂った。
カフェ・ヴィンセントで珈琲を飲みたかったが、閉館時間になってしまった。

                    カフェ・ド・ジヴェルニーからのモネの「大睡蓮」の眺め                               
          
現代展示では、門外不出のピカソのゲルニカが複製されている。3.49×7.77mと、とても大きく迫力がある。


          * * * * * * * * * * * * * * *


東京芸大や大塚の精巧な復元技術は、これからの文化財記録保存に大きな力になる。さらに、一般公開が困難な作品を、復元技術でみんなが身近に目にすることが出来るようになる。本物ではないけれど・・・・・本物と精巧な複製作品・・・・・どんな違いがあるのだろう。どれも素晴らしく感じる。
   
          * * * * * * * * * * * * * * *


実際にそれぞれの地を旅行をしながら、思い出と共にそれぞれの絵画を見てみたい気もする。