おれは カマキリ?!
15年余り前、カウンセリング講座で、今も心に残る、こんなゲームをした。
* * * * * * * * * * * * * * *
30人くらい参加していたと思う。それぞれの背中に昆虫や動物の名前が書かれた紙を貼る。本人は自分の背に何が書かれているか知らない。周囲の人は背の紙が読める。周囲の人に、自分の背に書かれている生き物がどのようであるか尋ねて回る。尋ねられた人は、背に書かれた生き物の名は言わないで、その生き物がどのような生き物かを相手に伝えるというルールになっている。
例えば、背中に「カマキリ」と書かれた紙が貼られたとする。自分はカマキリだと知らない。そして、周囲の人から「恐ろしい」とか「鋭い」「冷たい」「気持ち悪い」「飛び掛かる」などの言葉を受け、それらの言葉から自己像を想像し構成していく。
おもしろいゲームだと思う。自分が何者かまだ分からない幼い頃、母親や周囲の人が、その幼い子の事をどう言って来たか、幼い子はどう言われてきたか、それによってその子の自己像確立に影響を与える。自分認識に影響を与える。
例えば、いい子だと褒められて育った子は、自分はいい子だと認識して育つ。憎らしい子だと言われて育った子は、自分は憎らしくて嫌われる子だと認識して育つ。恐ろしい気がした。
* * * * * * * * * * * * * * *
おれはかまきり かまきりりゅうじ
おう なつだぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころもかまも
どきどきするほど ひかっているぜ
おう あついぜ
おれは がんばるぜ
もえるひをあびて
かまを ふりかざすすがた
わくわくするほど きまってるぜ
・・・・・『のはらうた』 工藤直子 著 より・・・・・
カマキリをこんな風に表現されれば、カマキリもなかなかカッコ良くて、いいなぁ。
子ども達が幼いころ、一緒に『のはらうた』を何度も読んだ。「くどうなおことのはらみんな」の詩がたくさん載っている。のはらみんなの、それぞれの魅力が素敵に表現されている。
* * * * * * * * * * * * * * *