私は、家族の事を、いい感情を持って話せない。　

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　私は、両親と姉妹三人の、五人家族で育った。姉は、知的障がいがあり、中学校も半分ほどしか通わなかった。姉は、よく稚拙な嘘をついた。家に戻らず、母と私が捜す事があった。もちろん姉は、仕事は出来ず、家に居た。

　　　　　　　　　 国名勝　星が森　横峰寺　石鎚山遥拝所

　私は、自分の育った家庭が嫌いだった。就職して寮に入ってからは、用があって家に帰っても泊まることはしなかった。

　姉は、嘘を本当の事の様に話す。姉自身、嘘と本当との区別がつかない様子だった。姉の嘘が判らず、疑わず会話をする母が嫌だった。とても変だと思った。姉が色々問題を起こしては、母や私が後始末をする。父は必要な時だけ、姉を使って用事をさせていたが、姉が借金を繰り返すなど問題を起こした時には関わらなかった。いや、関わることが出来なかったのだと思う。

　私がまだ若くて元気な頃は、知的障がいのある姉のお世話をすることは当然の事だと思っていた。しかし次第に負担になり、遠ざかって行った。

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　姉の起こす色々な行動の様子を周囲に話すと、おおかたは、障がいがあるから仕方がないと言われる。知的障がいのある弱い立場の姉に対して、優しく出来ない妹という感じに受け取られがちで、家庭の状況を伝える事が難しいと感じた。

　私の状況や気持ちをうまく言葉にして、コミュニケーションを取れる事が出来ていたら、そして相談が出来ていたら、もっと簡単に乗り越えられた事なのだろうと思うが、私は適切な言葉を持たず、相談する術も持たなかった。一人でジタバタしていた。困った気持ちを、一人で済ませてしまおうとするから、さらにおかしなことになってしまっていた。

　　　　　　　　　 四国最北端　竹居観音寺

　妹が56歳で逝き、そして父が逝き、母が逝き、そして姉は施設にお願いした。
　家族関係はなかなか難しいと思う。家族をうまく支えるには、相当な力が必要と思う。家族経営はとても難しい。

石見銀山　

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　私も家庭を持ち、40年程が過ぎた。
　夫や子ども達はどう感じているかわからないが、私は、安心して、居心地よく、自由に過ごさせてもらっている。有難いと思っている。

　　　　　　　　 高屋神社　天空の鳥居